水分とタンパク質を補うー美しく豊かな髪を生む要素①
髪の毛は「死んだ細胞」。つまり、一度傷んでしまえばその傷を治すことはできません。
けれど、「ダメージを広げない」「ダメージを与えない」ためにできることは、たくさんあります。むしろ、私たちが普通に送っている日常生活には「髪にダメージを与える落とし穴」がたくさん。
そこで、「今ある髪」を守り、より美しく見せるためのコツについて3回に渡って考えていきましょう。
まずは水分
理想的な髪の水分量は、11%〜13%。 湿度によって多少前後し、たとえば梅雨のシーズンなどは髪に水分が吸着するので水分量があがります。
またシャンプーなどでしっかり濡らした場合も水分が浸透しますから、髪の内部には最大で30%ほどの水分を保持することが可能と言われています。
ところが、キューティクルが開いたままだったり、紫外線やブラッシング、スタイリングなどたくさんのストレスに晒されたりすると内部の水分が流出してしまいます。
そのため、理想的な水分量をキープできなくなって髪が乾燥します。そして、切れ毛や枝毛といったトラブルが発生するのです。
水分を保つための、保湿成分=タンパク質
そうやってパサついた髪を美しく見せるためには、保湿が肝心。
髪は自己修復機能をもたない死んだ細胞なので、放置しておけばますますダメージが進行します。一刻も早く潤いを補いましょう。
もちろんこの場合の「潤い」は、いずれ蒸発してしまう水分のことではなく、「水分を保持する成分を補う」という意味です。
髪の保湿成分としてまず考えられるのは、コルテックスに存在しているタンパク質。ケラチン、あるいはアミノ酸の形で補えば、髪の内部に潤いを保持してくれます。 加水分解シルクもこの仲間です。
次によく使われるのは、コラーゲンやヒアルロン酸。 これらは分子が大きいので髪の内部には浸透しませんが、表面にとどまって潤いをキープしてくれます。
なので一般的なダメージケア用トリートメントは、タンパク質やコラーゲン、ヒアルロン酸を含むものが多いのです。
次回は、「キューティクルを整えて治す」ことについてお話しをします。