頭皮をたたくと女性の薄毛は改善する?
頭皮をたたくと薄毛が改善されると言われた理由
薄毛に悩まされている人にとって、「薄毛が改善できる」とか、「髪の毛が生えてくる」などという言葉は、甘美な誘惑のように思われることと思います。
かつて、「叩けば生える40代」などというコマーシャルが流行しました。
頭皮を叩いて血流を促進し、そこへ育毛剤を塗布することによって、効果的に育毛出来ると考えられていたのです。
頭皮をトントンとたたくのが流行することとなった決定打が、1980年代にコマーシャルとして流れていた、「薬用紫電改」の宣伝です。
薬用紫電改は現在でも販売されている育毛剤ですが、このコマーシャルをきっかけに、爆発的に売れるようになりました。
薬用紫電改を用いる際には、300回ほど専用のブラシで頭皮をトントンとたたくとよいとされていました。
また当時の大人気番組内で、人気の薄毛タレントさんがブラシでトントンと頭皮を叩いてウケをとっていたことから、頭皮をトントンとたたく=髪の毛が生えてくるというイメージを決定付けたのです。
その根拠として、頭皮の血行がよくなり、髪の毛に栄養が送られるということがあげられていました。
確かに、頭皮をトントンとたたけば血行は良くなります。
ただ、それ以上のデメリットがあるのです。
頭皮をたたくとかえって薄毛がひどくなるリスク大!
頭皮に限ったことではありませんが、お肌にとって絶対に避けたいことが2つあります。
1つは「乾燥」で、もう1つが「摩擦」です。
皮膚が乾燥すると、皮脂のバリアが働かなくなるため、外部の刺激から肌を守ることができなくなります。
頭皮の場合、紫外線にさらされることによって頭皮環境が悪化したり、細菌の繁殖を促し、炎症性の皮膚疾患や脱毛症を引き起こしたりすることもあります。
また、頭皮を摩擦すると、頭皮を傷つけてしまう可能性が高いです。
指先でゴシゴシとこすることはもちろんのこと、タオルでゴシゴシと拭くことによっても、頭皮環境が悪化し、抜け毛のリスクを増大させてしまいます。
ましてや、硬いブラシの先で頭皮をトントンとたたくなどもってのほかです。
血行がよくなるというメリットをはるかに上回る、頭皮環境悪化というデメリットがもたらされることとなるのです。
20年前の常識が、現代の非常識となっているケースはままあります。
かつては、運動中に水分を補給することが禁じられていた時代もありました。
今では信じられないことですが、その当時はそれが正しいと信じられていたのです。
頭皮をトントンとたたくことも同様です。
その当時は正しいと思われていたのですが、現在ではそのような手法を推奨する専門家はいません。
血行を促進したいのであれば、頭皮を温め、優しくマッサージするのが一番です。