遺伝の薄毛とそれ以外の薄毛を見分ける方法
女性も遺伝が原因で薄毛になるの?
昔から、薄毛は遺伝と関係があると考えられてきました。
そのきっかけとなったのが、アメリカ人医師である、ジェームズ・ハミルトンによる有名な実験です。
ハミルトンは1940年代に、知的障害者の施設であることに気が付きました。
それは、施設に入所している一卵性双生児の弟がハゲていないのに、見舞いにきた知的障害のない兄はハゲていたということです。
当時のアメリカの複数の州では、知的障害者に対して去勢措置を施し、入所させるという慣習がありました。
知的障害者が施設内で暴れないための措置だったのですが、現代から見ると驚くほかありません。
それはともかく、入所している弟がハゲないのは、去勢によって男性ホルモンが分泌されないからだと考えたのです。
そして、ハミルトンは弟に男性ホルモンの注射をおこないました。
その結果、弟もハゲたということです。
一卵性双生児は同じ遺伝子を持っているので、遺伝とハゲとの関係が証明されたという訳です。
では、女性の場合はどうなのでしょう。
女性の場合、男性ホルモンの分泌量が少ないので、男性のようにハゲることはありません。
また、現在のところ、女性の薄毛と遺伝とを結びつける、エビデンスのある説はないようです。
もちろん、女性にも遺伝的な薄毛があるとは考えられているのですが、これからの研究を待つ必要がありそうです。
薄毛を改善するには生活習慣を見直そう
男性に見られる薄毛(男性型脱毛症)の原因として、遺伝のあげられることがあります。
ただ、遺伝によって薄毛になる確率は、全体でみると4分の1でしかないということです。
つまり、薄毛になる男性のうち、4人に3人は遺伝以外の原因によって薄毛になっているという訳なのです。
女性は男性とくらべ、遺伝によって薄毛になる可能性が低いとされています。
では、女性はなぜ薄毛になってしまうのでしょうか。
その原因の1つとして、生活習慣があげられています。疲労やストレスの蓄積により、自律神経のバランスが乱れてしまうと、毛母細胞の分裂が不活発になります。
また、過度のダイエットなどをおこなっていると、髪の毛の成長にとって必要な栄養素が不足してしまい、それによって薄毛が進行するケースもあります。
他にも、頭皮の質に合わないシャンプーを使うことで頭皮環境が悪化し、髪の毛の成長を阻害するようなケースもあります。
肥満と生活習慣の関係が深いように、薄毛と生活習慣の関係もやはり深いのです。
遺伝だからと諦める前に、生活習慣を見なおしてみるのが先決です。
それでも薄毛の進行が止まらないような場合には、薄毛を専門としている病院やクリニックを受診して、相談するようにしましょう。