ツヤ髪のキモ、キューティクル – 髪の仕組み①
髪を美しくするためには、その仕組みを知ることが大切です。
髪のどういった部分がどのようにして傷むのかがわかれば、それを防ぐのも簡単になります。
今回は「キューティクル」についてお話ししましょう。
髪の毛の外側の部分、キューティクルは髪を守る部分
髪は大きく分けると、3つの部分からなります。
外側を包むのは、ヘアケア製品のコマーシャルでもおなじみの「キューティクル」。うろこ状で、タケノコの皮のように少しずつ重なりながら髪を包み込んでいます。これが、のり巻きにたとえるなら外側を包んでいる、のり部分になります。
もっとも、のりのような一枚構造ではなく、小さなキューティクルが少しずつ位置をずらしながら重なり、髪を外部の刺激から守っているわけです。肌で言えば皮脂膜にあたり、バリア機能を担っているのです。
キューティクルそのものは透明ですが、これがキレイに並んでいると髪にハリやツヤが生まれます。このキューティクルは温度や湿度が高いと開く性質を持っています。この働きにより、髪の内部の潤いを一定に保つ構造になっています。
昔の人がお酢をリンス代わりにしたというのも、酸性にすることでキューティクルが閉じ、髪の表面がなめらかに整うことを経験的に知っていたからでしょう。
また、欧米人のほうがキューティクル部分が厚い傾向にあるため(髪そのものの太さは日本人のほうが1.5倍あるのですが…)ダメージを受けにくいようです。ヘアケアやスタイリングなどの「髪の扱い方」については、日本をはじめとするアジア人のプロの意見を取り入れたほうがよさそうです。
キューティクル=バリア機能が傷つく原因
このキューティクルは、紫外線やドライヤーの熱、タオルとの摩擦と言った物理的ストレスで損傷したり剥がれたりしてしまいます。
パーマやカラーリングのほうが負担が大きいと考えている人も少なくありませんが、実は普通の日常生活でもたくさんの刺激に晒されているのです。
枝毛や切れ毛といったあからさまなダメージはもちろんですが、パサつきやツヤ不足もキューティクル表面のケバ立ちなのです。
キューティクルのケバ立ちはダメージの始まり。これは、全ての人の髪に生じてしまう現象。
避ける事はできないので、開いたキューティクルを閉じるケアをこまめにすることが大切です。
意外に思われるかもしれませんが、10代や20代の若い方の中には、ヘアアイロンを繰り返し使う事による、キューティクルが溶けてしまっているトラブルが珍しくありません。
キューティクルを修復することは不可能?
キューティクルというバリアが損傷していれば、当然髪内部の成分も流出しやすくなります。
そうなると、切れ毛や枝毛といった目に見えるトラブルが起きますから、トリートメント剤などでキューティクルをケアする必要があります。
ヘアケア製品の謳い文句で「キューティクルのダメージを修復する」という言い方をしていますが、損傷したり、剥がれたりしたキューティクルが再生するわけではありません。
そもそも髪は「死んだ細胞」で、切っても痛くありません。
肌は傷ついても治りますが、髪は自らを修復する機能を持たないのです。ですから、厳密には「キューティクルの修復=ケバ立ちを整える」ケアになります。
外側をコートするケアと同時に、「丈夫なキューティクルの髪を育てるケア」や「ダメージを与えない髪の扱い方」が大切になるのは、いうまでもありません。