ストレスで髪が抜ける仕組みと対処方法
ストレスが身体に与える影響
ストレスによって髪の毛が抜ける仕組みについて知るためには、ストレスが身体に与える影響について理解しておくことが重要です。
なぜ「ストレスは万病のもと」と言われるのかを知っておくことで、髪の毛が抜けたときに迅速に対応できます。
私たちの生命活動は、自律神経という神経によって保たれています。
呼吸をするのも体温を調節するのも、食べたものを消化・吸収するのも、すべて自律神経の働きによります。
自律神経は交感神経と副交感神経から成っており、それぞれ車のアクセルとブレーキとの関係にたとえられます。
日中はアクセルを踏み(交感神経が優位になり)、夜にはブレーキを踏む(副交感神経が優位になる)という訳です。
この切り替えがうまくできていると、心身の健康が保たれるという訳なのです。
ところが、過度のストレスによって交感神経優位の状態が続いてしまうと、夜になっても身体を休めることができなくなるのです。
私たちの体内では、寝ている間に成長ホルモンが分泌され、それによって活発な細胞分裂が起こり、損傷部位を修復したり、新陳代謝を活発にしたりしているのです。
ところが、ストレスによって自律神経のバランスが乱されることで、そういった働きが疎外されるのです。
ストレスで髪が抜ける仕組みと対処方法
ストレスによって自律神経のバランスが乱されると、髪の毛の生え変わる周期(ヘアサイクル)にも悪影響を与えます。
髪の毛には成長期、退行期、休止期といったサイクルがあり、心身ともに健康な人の場合、髪の毛が抜けおちる頃には、新しい髪の毛が古い髪の毛の下から生えてきています。
ところが、ストレスによってヘアサイクルの周期が乱されると、髪の毛の成長期が短縮し、退行期や休止期が早く訪れてしまいます。
そのような毛穴では、髪の毛が抜けおちる時期になっても、まだ新しい髪の毛が生えてきていないのです。
そのような毛穴の数が増えることによって、徐々に薄毛が目立つこととなるのです。
特に女性の場合、男性のように局所のはげ上がるようなことがないため、薄毛の進行に気付きにくい傾向があります。
「髪の毛を洗ったときに、排水溝に詰まる髪の毛の量が増えてきた」「ドライヤーをかけたあとに、床に落ちている髪の毛の量が増えている」などという方は、ストレスがたまっていないか確認してみましょう。
もし、「ストレスがたまっている」という自覚があるのであれば、自分だけの時間を作って趣味に没頭したり、仲の良い友人とおしゃべりを楽しんだり、運動で汗を流したり、カラオケで大きな声を出したりして、ストレスを発散するように心がけましょう。