頭皮ってほかの皮膚とどう違う?お手入れ方法の違い
ボリュームのなさや髪のうねり、白髪といったエイジングによるお悩みは、髪をいくらお手入れしても解消することはできません。
土壌がよくないといい植物が育たないように、頭皮が健康でなければ、美しく豊かな髪は育たないのです。
健康な頭皮になるために、頭皮の仕組みについて知っていきましょう。
頭皮と顔の皮膚、何が違う?
皮膚理論上は、頭皮と顔の皮膚の基本構造は同じです。
どちらも表皮、真皮、それに皮下組織の3層から成り立っており、汗腺と皮脂腺が存在します。
表皮と真皮の境目に存在する基底層から新しい細胞が生まれ、徐々に上へと持ち上がっていきます。
顔の皮膚と同じで、頭皮の角層も日々剥がれ落ちて生まれ変わっていますが、健康な状態であればごく細かい垢となって落ちるため、肉眼では見えません。頭皮のトラブルがあると、これがフケとして目に見えるようになります。
では、頭皮と顔の皮膚で違うところはというと、毛穴の数やサイズ。
頭皮の毛穴(皮脂腺)は顔のTゾーンの3倍もあります。
顔に生えている産毛と髪の毛では、太さもまったく違います。毛根が太く、長い毛が生えているところ、また一つの毛穴から3〜4本もの毛が生えているところも大きな違いです。体のどのパーツと比べても皮脂腺の数が多く、皮脂分泌が活発なところも頭皮ならではの特徴です。
そして、お手入れするうえで無視できないのが「髪に覆われている」という事実。
なんだ当たり前じゃない、と思われるかもしれませんね。けれど、髪がびっしりと表面を覆っているために、蒸れやすいし洗いにくいし、湿度が高くなってしまうのです。
こういった条件下では雑菌が繁殖しやすくなりますから、顔にも増して注意深くお手入れをし、自分の頭皮の状況を把握しなければならないわけです。
そしてもうひとつ、私たちが頭皮ケアを考えるときに大切なのが、「頭皮には筋肉がない」という事実。
これは帽状腱膜という頭部の上半分、帽子をかぶったときに隠れる部分に限定されますが、筋肉が存在しないのです。
頭蓋骨があり、筋肉はなく、ごく薄い脂肪の層を頭皮が覆っているだけ。ということは…そうです、筋肉がなくて動かせないのですから、血液の流れは心臓のポンプ運動に頼るのみ。しかも、パソコンや携帯で目を酷使しがちな現代人の頭は血行が悪くなっていますから、充分な血液が髪に届かなくなり、美しい髪が育つための栄養が不足します。そのため細毛や白髪が発生してしまうのです。
「動かない頭皮」に働きかけることが、頭皮ケアの要となります。その結果、硬くなった頭皮が柔らかくほぐれ、血液をすみずみまで届けられるようになります。
ちなみに、頭皮と顔の肌は「見た目の色」がかなり違うので、肌構造も違うと思っている方が少なくないようです。
頭皮の白っぽい色は、大きな毛球部分の色が透けていること、それから紫外線に当たらないためメラニン色素が少ないことから白く見えるようです。論より証拠、毛髪が寂しくなってきた男性の頭皮を見ると、毛穴も小さくなって、顔と変わらないような肌色の頭皮が出現しているケースがありますよね。ですから、顔と同じ理論をもとにお手入れを組み立てて問題ありません。