無添加化粧品ってなにが無添加か知っていますか?
化粧品メーカーによっては、無添加化粧品シリーズと銘打って肌に優しい基礎化粧品を販売している商品も多くなってきています。そんなメーカー側の広告をそのまま受け取ると、無添加化粧品とは低刺激で肌に安全な商品だという意味だと思っている人が多いのではないでしょうか。そこで今回は化粧品の無添加の現状についてお伝えします。
添加物の共通定義がなく無法状態の化粧品業界
食品には食品衛生法第10条に基づいて、厚生労働大臣の指定を受けた添加物(指定添加物)だけを使用することができるように、法律で添加物の定義や使用できる成分が決まっていますがそもそも、コスメに関する基準が定められている日本の薬事法では、コスメに関する添加物などの基準が一切設けられていません。
「無添加化粧品」や「自然派化粧品」というのはあくまでも化粧品メーカー独自の基準によってアピールされている言葉にすぎないのです。
日本で販売される化粧品は薬事法で3年間品質を保持できる事が義務づけられている事から防腐剤やシリコン、界面活性剤といった添加物が配合されています。
しかし、添加物の定義があいまいなためメーカー独自の見解により一部の成分が配合されていなければ、それは「無添加化粧品」と呼べるというわけです。
完全無添加化粧品は日本では発売できない
消耗品であり継続商品である化粧品では各メーカーはブランドのイメージを落とす事から製品事故を起こす事を一番恐れています。
また多くのメーカーが存在し海外や他業種からの参入も多い中で効果が出ない商品はすぐにほかのメーカーにスイッチされてしまいます。そこでより安全でより安く、より効果のある商品を各メーカーがしのぎを削っています。
もちろん添加物の悪影響は長期的に表れるという意見もありますし、私も食品に関しては出来るだけ添加物を取らないように心掛けていますが、日本の薬事法では一部の例外を除き3年以上変質・変色等しないという制限がある事から、防腐剤などの成分を完全に除くことは出来ません。
アトピーの人や肌が弱い人にとって、他の人には何の影響もない成分でも皮膚トラブルの原因となることがあるので、そのような人にとってはメーカーが独自に定めた無添加だけで判断するのではなく、自分にどの成分がトラブルを引き起こすのかを把握する事が大切です。
今はメーカーのホームページなどで商品に関する明細を見ることができるようになっています。商品に使われている成分を消費者自身が確認し、自分の肌により良いものを自分自身で選ぶことが求められています。
メーカーがどのような安全基準を持って商品を作っているのか自分の目で確かめ、メーカーや商品を選んでいくことが大切です。自分の肌を理解し、守っていけるのは自分自身に他ならないのです。