女性の薄毛は男性の薄毛に比べて改善しやすい
女性の薄毛と異なる男性に見られる脱毛症の特徴
一般的に、女性の薄毛が男性に比べると改善しやすいのは事実です。
ただ、その理由について理解するためには、男性の脱毛症の特徴について知っておくことが重要です。
男性に見られる代表的な薄毛のことを、男性型脱毛症(AGA:Androgenetic Alopecia)と呼んでいます。
直訳すると、男性ホルモンに関連して起こる脱毛症となりますが、日本では男性型脱毛症と呼んでいます。
日本皮膚科学会の策定する、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」によると、男性型脱毛症は、「思春期以降に発生する、進行性の脱毛症」と定義されています。
つまり、男性型脱毛症を発症した場合、治療によって薄毛の進行を遅らせることはできるものの、根本的に改善することは不可能だという訳なのです。
また、治療をしていても、途中でやめると年齢相応の髪の量になってしまいます。
どういうことかと言うと、30歳から男性型脱毛症の治療を開始して、50歳で治療をやめたとすると、髪の量は治療を開始した30歳のときではなく、治療をしなかった場合の50歳の量にまで減ってしまうのです。
これが、男性の薄毛が治りにくい理由です。男性型脱毛症は一生にわたってつきまとう問題なのです。
女性の薄毛が男性より改善しやすい理由
女性に見られる薄毛にはいくつかのタイプがあります。
もっとも一般的なのが、加齢にともなっておこる瀰漫性脱毛症(びまんせいだつもうしょう)です。
女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量が減少することによって、髪の毛全体のボリュームがダウンしたり、地肌が透けて見えるようになったりします。
ただ、瀰漫性脱毛症に限った話ではありませんが、女性の薄毛の場合、男性のように、局所がはげあがるようなことはありません。
女性に見られる薄毛としては、粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)や、脂漏性脱毛症(しろうせいだつもうしょう)もあげられます。
これらの脱毛症は、頭皮の質に合わないシャンプーを使っていたり、無理なダイエットで栄養不足になっていたり、ストレスによって自律神経やホルモンバランスが乱れたりすることによって、発症リスクが高くなるとされています。
あと、女性に特徴的な薄毛として、牽引性脱毛症や分娩後脱毛症があります。
牽引性脱毛症は、いつも同じ場所で髪の毛を結ぶことによって起こります。
分娩後脱毛症は、産後にホルモンバランスが乱れることで起こりますが、通常は半年から1年ほどすると改善します。
このように、女性の薄毛は加齢をのぞいて、生活習慣や洗髪習慣などが原因となっています。
そのため、進行性である男性の脱毛症より改善しやすいのです。