女性がなりやすい牽引性(けんいんせい)脱毛症の原因と対策
牽引性脱毛症の原因とは?
女性の脱毛症にはいくつかのタイプがありますが、牽引性脱毛症もそのうちの1つです。
特に、髪の毛を結ぶ機会の多い女性に多くみられる脱毛症として知られています。
頭皮の特定の場所にばかり負荷がかかり続けることによって、局所の血流が減少します。
血液は全身に酸素と栄養、白血球などを運んでいるので、血液の循環が悪くなると、栄養状態が低下し、免疫力も低下するのです。
頭皮の栄養状態が低下すると、髪の毛の成長に必要な栄養を得られなくなり、髪の毛が成長しきらないうちに抜け落ちていくこととなります。
また、免疫力が低下することで、頭皮への雑菌繁殖のリスクが増してしまいます。
そうなると、牽引性脱毛症だけでなく、マラセチア菌の異常繁殖による脂漏性脱毛症を併発するリスクも上昇します。
牽引性脱毛症の直接的なリスクファクターとしては、いつも同じ場所で髪の毛を結んでいることや、同じ場所で分けていることなどがあげられています。
また、エクステをつけることによって、牽引性脱毛症のリスクが上昇することも分かっています。
その他、いつも帽子をかぶっていると、やはり頭皮が圧迫されて血行が悪くなり、薄毛のリスクが上昇します。
牽引性という言葉だけを見ると、引っ張られることで抜けるようなイメージを持つかも知れませんが、実際には局所の血行不良が原因となっています。
牽引性脱毛症を発症した場合の対策
それでは、牽引性脱毛症を発症した場合、どのように対策を講じればよいのでしょう。
まず、明らかに原因(リスクファクター)が分かっているのであれば、それを取り除くことが先決です。
いつも同じ場所で髪の毛を結んでいたり、同じ場所で髪の毛を分けていたりする場合は、髪の毛の結び方を変えたり、結び目や分け目を替えたりすることが必要です。
帽子をかぶることによって頭皮が圧迫されているのであれば、帽子をかぶらないようにするか、圧迫の少ない帽子に帰るようにしましょう。
先にも触れましたが、牽引性脱毛症は髪の毛が引っ張られることではなく、引っ張られた先に血行不良が起こることで、発症リスクが高くなります。
そのため、頭皮の血行を改善することも重要です。
夏でもしっかりとお風呂に浸かって身体を温め、栄養バランスのとれた食事を摂取するよう心がけましょう。
それでも牽引性脱毛症を改善できない場合は、女性の薄毛を専門としているクリニックなどを受診し、発毛治療を受けるとよいでしょう。
クリニックにおける発毛治療としては、メソセラピーや自毛植毛などがあげられています。
メソセラピーとは、髪の毛の成長因子(グロースファクター)を直接頭皮下に注入し、発毛を促す治療法のことです。