ただつけるだけじゃダメ!トリートメントの効果的なつけ方
日々傷んでいく髪を補強する「トリートメント」。高価なトリートメントを毎日使っていても、使い方が間違っていては効果がありません。
大事なのは二つのポイント
まずは、トリートメントが頭皮につかないこと。ついても害はありませんが、このあとに使う頭皮の保湿剤の浸透を妨げる可能性があります。
もうひとつは、「均一につけなくてもいい」ことです。
顔のお手入れのとき、乾いているところにクリームを重ねてつけるように、ダメージがひどい部分は念入りに、そうでないところは少なめに。自分の髪の状態を見極めて使いましょう。
それでは、実際にトリートメント剤をつける手順を紹介します。
1. 手のひらの体温を利用してあたためる
肌には温度のセンサー機能がありますから、暖かければ毛穴が開くし、寒ければきゅっと閉じる。これと似たような機能を担っているのが、髪のキューティクルです。あたためれば開くし、冷えれば閉じます。また、濡れると開き、乾くと閉じる性質があります。
この性質を活用するためにも、トリートメント剤をすぐに髪に塗布するのではなく、手のひらで温めてから使ってください。このひと手間で、成分がより髪に浸透しやすくなります。
2. 「もみこみ」でぎゅっと成分を入れこむ
トリートメントを髪にぬるとき、漠然と塗っていると全体に行き渡りにくいもの。「のばす」動作は一部だけにたくさんついてしまいがちなので、手のひらのトリートメントを揉み込むようにつけるのがポイントです。
頭皮にはつかないように注意しましょう。
3. 髪表面と毛先に重ね付けしてパサつき防止
ひとくちに髪といっても、その状態は全て同じではありません。生まれてから時間が経過している毛先のほうが傷みがちですし、内側よりは表面のほうが紫外線や物理的な摩擦のダメージをうけています。
傷んだ部分には重ねてつけて、成分をたっぷり送り込みましょう。
4. 手ぐしでざっくりトリートメントをのばし、つけ忘れを防ぐ
トリートメントを揉みこんだら、最後に手ぐしで髪全体に行き渡らせます。
頭皮には触れないようにしながら、髪の内側や襟足など、つい忘れがちな部分をそっとなでましょう。ここでの目的はつけ忘れ防止なので、揉み込む必要はありません。
5. 待つこと5分。放置時間なくして成分の浸透なし!
皆さんは顔のシートマスクを使う時、どうしていますか?ぺたっと顔に貼ったら、しばらく放置しますよね。
髪のトリートメントも同様で、塗ってすぐ流してしまっては意味がありません。ある程度の時間を置くことで、成分がしっかり中に入るのです。
理想をいえば5分ですが、忙しい日なら2〜3分で構いません。一定の時間をおくことで初めて、トリートメント剤は効果を発揮します。
6. 密閉する
こちらもスキンケアと同じで、フタをすることで成分は浸透しやすくなります。
手のひらで美容液を押し込んだり、シートマスクで顔を覆ったり、ラップを貼って浸透させる、なんて言うのも同じ原理です。髪にトリートメントをつけたときも、シャワーキャップなどをかぶって密閉させるとよいでしょう。
余裕があればホットタオルを作って頭に巻くと、スチーム効果でキューティクルが開き、成分が奥まで入るのを助けてくれます。
7. 地肌を中心に「ためすすぎ」で洗い流しましょう
一定の時間放置したら、最後にトリートメントを洗い流します。
頭皮にトリートメントを残さないよう、このときも手のひらにお湯をため、地肌にそれをかけてしっかり流しましょう。髪より頭皮を念入りに、全体で1〜2分はかけて流すのがポイントです。
私も、美容の仕事を始める前までは、よいトリートメント剤、高級なトリートメント剤なら髪がキレイになるはず、と思い込んでいました。けれど、どんなにいい成分が配合されていても、効果的な使い方をしていなければ大きな効果は出せないと、頭皮と髪の仕組みを学んだ今だからこそ断言できます。
丁寧に入れこめば、その日から確実に髪の手触りが違ってきます。